読んだ本

最古の醸造酒 ~デザインとは? ものに込めた思いに、思いをはせるために~

こんにちは、トモるです。

今日は、漫画バーテンダーを紹介したいと思います。

唐突ですが、デザインとは、一からゼロを作ることは少ないのかと思います。

いくつかのモノを組み合わせてデザインすることが多いのかなと思います。

今日は、ホテルのバーのデザインを任された有名デザイナーの話。

デザインとは?

少し考えさせられるエピソードです。

外国の有名デザイナー(デミトリス・リオン)は、京都で接待を受けています。

何か元気がなさそうです。

元気がないのは、再婚した妻を接待をしている来島をみて思い出したからでした。

そして、接待を頑張っている来島をみて「もう帰る!」といってしまいます。

場面は、写り佐々倉のバーへ、佐々倉は、お客様に

「デザイナーってそんなに偉いのですか?」と聞きます。

ホテルウーマンである来島は、

「偉いというか、ホテルのシンボルマークはもちろん、室内の照明、音楽、歯ブラシの一本に至るまで、彼が決めているの、彼が帰国したらオープンは確実に遅れるわ。」

と佐々倉に言います。

すると、

「デミトリス・リオンって、世界的な有名なワインコレクターの?!やったぱり日本酒ではなくワインを出さなかったから怒ったのではないでしょうか?それとも神嶋部長の腹踊りでは…」

神嶋部長は、絶句して

「いくら何でも、海外の芸術家に日本の伝統芸能を…やっぱり少し調子に乗りすぎたか…」

そこで来島を言うのです。

「神頼みでもなんでもいい、「神のグラス」と呼ばれるあなたの作るお酒に最後かけてみようとおもうの。」

佐々倉は驚きます。

来島、神嶋部長にお願いされしぶしぶその依頼を受ける佐々倉なのでした。

そして、後日、佐々倉は、リオンがデザインしたバーを見て一言

「これが、世界的ワインコレクターがデザインしたバーか。」

少し調子抜けた様子です。

そこに、リオンが来ます。

そして佐々倉はリオンに聞こえるように言うのです。

「まったく信じられないな、そいつ偽物なんじゃない?日本語がわかる!?

そりゃますますあやしい。言葉が通じなくて大工さんが聞き間違えたらまだしも。

世界一最低なバーだ」

リオンは激高します。

そして佐々倉は続けます。

「デザイン云々はわかりませんが、良いバーならわかります。多分あなたよりずっと」

リオンの怒りは収まりません。

「最初から日本人に本当のデザインがわかるか疑問だったんだ。もう帰る!あとは弁護士に話をさせる!」

リオンは去っていくのでした。

そして佐々倉は、来島に「すまない。でもプロとしてどうしても許せない事がある。」

来島は、泣きそうな顔で佐々倉に訴えかけます。

「許せない事?!だけど、そんなのプロじゃない。プロって言うなら、バーテンダーが一杯の酒もサービスしないで客に喧嘩を売って帰していいのかな?!」

佐々倉は、「君にはかなわないな」といいリオンに一杯味わってもらうために考えるのです。

ワインコレクターか…

佐々倉は唐突にリオンに対して、「あなたに飲んでもらいたい古い醸造酒があります。それを気に入っていただけたら、このままこのホテルのデザインを続けていただけますか?」

ワインに目のないリオンははなしに乗るのでした。

次の日、バーに集まった面々は、古い醸造酒を味わいます。

ビンに布をかぶせて、もったいぶってグラスにお酒を注ぎます。

リオンは、品定めをするように、味わいます。

その時、佐々倉は、そのボトルをバーの棚に置きます。

するとリオンは、「貴様!なんてことをするんだ。ワインを太陽の差し込む窓際に置くなんて!」

そしてリオンは、はっと気づくのです。

そして佐々倉はこう言います。

「そう、ワインなら蛍光灯の下に置くだけで劣化を気にしても、リキュールや蒸留酒ならインテリア代わりに太陽にさらわれてもいい…あなたはそう思った。

でも…

バーにとって安い酒も高い酒もないのです。すべてが大切な一本なのです。」

来島は心の中で「それで昨日あんなに怒ったのね」と納得します。

リオンは自分の否を認めて、ワインを棚に置かないように懇願します。

しかし、ここで佐々倉は種明かしをします。

「ワイン?私はワインと一度も言っていませんよ。最古の醸造酒だと…」

その中身はミードでした。

リオンは、怒りもせず、一本取られたと爽快に笑うのでした。

そしてここで、佐々倉は、このミードを使って神のグラスを作ります。

「ワインはその 伝統 文化 価格 において 酒の最高峰かもしれません。

そして世界におよそ10万種、味わいも10万

でもカクテルの味は…

無限に作り出すことができる。

お客様の思いに合わせて、

どうぞ、ハネムーンです。

神嶋部長より最近再婚されたと聞きましたので(照れ笑い)」

リオンはこのカクテルを飲んでこう言うのです。

「うまい!特級畑のワインにも匹敵する味だ。そしてここまで私の事を考えてくれたのか。」

リオンは、ホテルのデザインを続けることを了承したのでした。そして、バーのデザインを早速変更しなければと神嶋部長に発破をかけるのでした。

最後に、佐々倉にリオンは誕生日を聞きます。

1978年10月10日

なるほど、神のグラス、神に愛された男か

最後にリオンは、ブルゴーニュの奇跡の年78年のロマネ・コンティをプレゼントするのでした。

 

この話を読んで、トモるはデザインとは一人よがりのモノではいけないなと感じました。

デザイナーの個性を出すために、そのモノに込められた思い、その場所の意味、そういったものをないがしろにすると、いくら有名なデザイナーの作品であれ、その業界の人からは、何もわかっていない素人の作品だと評価されます。

そういったものをうまく組み合わせて尚且つ自分らしさを出すそれがデザイナーでしょう。

一つ一つのモノには思いが込められている。特にデザインを気にする場では特にその思いが強いでしょう。その思いを汲んでこそ、真のデザイナーではないかと共います。

また、お酒というのは、人類の歴史に大きく影響を及ぼしています。

今後紹介しますが、お酒の名前、エピソードを聞くとその当時の思いを感じることが出来ます。カクテルがアメリカの禁酒法で発展していったのは有名な話でしょう。

そうやって人間の歴史に影響を及ぼしてきたお酒。

トモるは、ビール一杯で真っ赤になってしまうくらい弱いですが、そんなエピソードを紐解きながら飲む一杯は大変有意義な時間になるな~。

そんなバーを見つけたいなと思うのでした。

皆さんにとって、お酒とはどんなものでしょうか?

ただ酔う(漂う)だけではもったいないなとトモるは思います。

では、またブログで!